「あの子が、危ない……」。夏休み明け、朝の駅のホーム

「あの子が、危ない……」。夏休み明け、朝の駅のホーム。下を向いている制服姿の女の子を、男の子が心配して見つめます。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られ、ツイッターで「夜廻り猫」を発表してきた漫画家の深谷かほるさんが、「新学期」を描きました。

【マンガ】夏休み明け「苦しむ子どもが」駅のホームに現れたのは…「夜廻り猫」が描く新学期
学校に行きたくなくて 苦しむ子どもたち

 夏休みも終わり、いよいよ新学期。夜が明けた駅のホームで、「むっ。涙の匂い…!」。
 夜廻り中だった猫の遠藤平蔵は、制服姿の男の子と1年ぶりに再会します。
 
 男の子は「あの子が…」と視線を向けます。その先には、同じように制服姿で学生かばんを持って、じっとたたずむ女の子が。
 遠藤は声をかけ、ホームのベンチに座って話を聴きます。

 女の子は駅をあとにします。
 それを見届けた男の子は「思いとどまった……」と、安心したように、すぅ…と消えていきました。

 夏休み明けは、子どもが自ら命を絶つことが多いといわれます。
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遠藤は「苦しむ子どもがいるのだ…」とつぶやくしかありませんでした。
自ら命絶つ18歳以下 9月1日に集中

 国が2015年にまとめた「自殺対策白書」によると、過去約40年間で、18歳以下の自殺がもっとも多いのは9月1日でした。その日以外でも、学校の長い休みが明けた直後に増えています。
 政府の自殺総合対策大綱にも、子どもの自殺が起きやすい場所での見守り活動や、SNSで自殺をほのめかす情報がないか確認するといった取り組みが盛り込まれています。

 深谷さんは、「子どもは、自由にできる裁量が少ないですから、いじめに耐えながら絶望的な気持ちで学校に向かう子もいると思います」と心配しています。
 「クラスや担任の固定をやめて、大学のように単位制にして、縛りを減らした方がいいのでは、と思います」

 子どもたちが、悲しい気持ちで死ぬことを選ばないように――。
 私たちにできることがないか、考えさせられます。
<子ども向けの電話相談>

 ◆24時間子供SOSダイヤル(0120・0・78310):都道府県・政令指定市の教育委員会の相談機関につながる
 ◆チャイルドライン(0120・99・7777)月~土曜の午後4~9時:NPO法人チャイルドライン支援センターが運営。8月29日から9月6日まで(午後4~9時)はインターネットのチャットでも相談に応じている

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